見えない危機への対応が成否を分けた!席数売上日本一の居酒屋の危機管理力

見えない危機への対応が成否を分けた!席数売上日本一の居酒屋の危機管理力

※2020年10月27日配信メルマガVol.95より抜粋(一部加筆修正あり)

コロナ禍で繁盛店がピンチに

コロナの自粛明けで、周りがシャッター街となっている中、
急激に売上を回復させている飲食店があります。

それは、大阪ミナミを中心に6店舗を展開している
オリジナル鉄板串焼屋「鉄板神社」。
https://teppan-jinjya.com/
串カツ・串揚げが主流の中、
約45種の新鮮な食材を、衣をつけずにオリーブオイルと鉄板で焼く”創作串”が特徴。
笑顔の絶えない接客も相まって、店内はいつも満席。
いい時は全店舗合計220席で月1億にまで達する、
席数売上げ日本一を誇る大人気店です。

この「鉄板神社」、コロナの営業自粛で大打撃を受けました。
元々ドミナント戦略(地域を絞って集中的に出店する戦略)でミナミエリアに集中して出店していたため、
ちょうど大阪府による休業の指定区域に入ってしまったのです。
その間数ヶ月の売上は0
コロナ前は賑わっていた繁盛店も大打撃を受けます。

そもそも飲食業界では、ドミナントでやるのはタブー
いかに満席にするか?が飲食店にとって最大の宣伝広告なのに、
付近に同じような店があったら、お客さんの食い合いになってしまいます。
そこを微妙に客層を変えることで、
どの店も満席にしてきたのが、鉄板神社でした。
が、それもコロナ禍では仇になります。

インバウンドブームに素早く乗り一人勝ちした過去

とは言えそこで終わらないのが、繁盛店の繁盛店たる由縁。
「鉄板神社」の田中社長は、こういう事態をも見越していたというから驚きです。

16年前に「鉄板神社」が出店する前の道頓堀は、閑散とした街だったといいます。
飲食店を出しても潰れる街。
しかし周辺はお客さんで溢れていたので、
そのお客さんたちが流れてくるだろうと田中社長は直観しました。
そこでたまたまインバウンドブームが起きるのです。
周りが外国人を毛嫌いする中、「鉄板神社」だけはいち早くメニューの外国語化に対応し、
日本人と同じように丁寧に接客しました。
すると、「鉄板神社」に外国人客が溢れ、一人勝ちするようになります。

インバウンドバブルに浮かれなかったのが功を奏した

次第にインバウンドバブルが訪れ、
周囲のお店はどんどんインバウンド戦略にシフトチェンジし、
日本人を相手にしなくなりました

ここでも田中社長は冷静です。
今度は外国人だけ呼ぶ店と日本人だけ呼ぶ店とで分けることにして、
日本人客を増やせ」と店長たちに指示したのです。
保守的な日本人は、外国人の集まる場所に行きたくない人も多い
そういった人たちの受け入れ先となる形で、
またまた「鉄板神社」は繁盛しました。

結果的に、それが休業明けに強みとなったのです。
つまり、コロナでさーっと外国人客がいなくなり
インバウンドに思いっきり振ってしまったお店は、バタバタ潰れました。
一方、日本人客を大事にした「鉄板神社」は、
休業明けから一気に日本人客の来店を復活させ、
相変わらずの賑わいを取り戻したそうです。

見えない危機を想定して備える

田中社長は、危機の時の対応の仕方が天才的な経営者でもあります。
以前、大阪を直撃した台風でお店の看板などの外装が壊れた際のこと。
そのまま保険を申請して修繕するのが通常のところ、
付近で全く被害のなかったビルの中に、お店ごと移してしまったのです。

台風はまたいつくるかわからない。
だとしたら、原状回復に努めるより、
より安全な場所に移動した方が賢明です。
そういうことを平気でやってしまう人なんですね。

まだ顕在化していない危機に備えて対応する」のは、
危機への想像力とある程度の余裕がなければできません。

見えない危機を想定して、
今できる対応をしていくと、
どっしりとした安定の上で経営をすることになるので、
ビジネスの厚み・深みが変わってくるかもしれませんね。

本記事の続きはこちら↓

ピンチの時こそ「人」に投資!席数売上日本一の居酒屋の英断
※2020年11月3日配信メルマガVol.96より抜粋(一部加筆修正あり) 前回の「鉄板神社」の記事の続きです。 https://samuraitz.com/w…
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