※2020年5月5日配信メルマガVol.70より抜粋(一部加筆修正あり)
「収穫逓減の法則」とは?
「収穫逓減の法則」をご存知でしょうか?
農業の生産性から派生した法則なのですが、
すごく簡単にいうと、
「生産量を増大させようとすると、生産効率が落ちる」
というものです。
作物に肥料を与えることで、収穫量は増えていきますが、
その増収率は次第に減っていき、
一定の量を超えると、今度は減収に転じてしまう現象を表しています。
つまり、所定のインプット量から、一定のアウトプット量につながっていたのが、
インプット量を増やし続けると、アウトプット量が追いつかなくなってくるということで、
農業以外の分野でも当てはまる法則として知られています。
「いきなり!ステーキ」の失速
わかりやすい最近の例で言えば、
ペッパーフードサービスの「いきなり!ステーキ」が挙げられるでしょうか。
美味しいステーキを立ち食い形式で提供する、新しいビジネスモデルで、
糖質制限ブームもあって大人気を博しました(類似の形式では「俺のイタリアン(フレンチ)」が先行しており、社長が影響を受けたそうです)。
飛ぶ鳥落とす勢いで出店拡大しましたが、近年は急激に失速。
昨年12月期決算(連結)は、同社上場来初の営業赤字に転落し、
店舗の閉鎖も相次ぐ始末。
投資家たちも株を投げ売り始め、株価は最高値から1/20になりました。
“社長からのお願い”張り紙がネット上で炎上し、
カレーライスや生牡蠣の販売を始めて迷走を指摘され、
「いきなり倒産」と揶揄されるなど散々な言われようです。
私自身は、”いきステ”のビジネスモデルに感動し、
ビジネススクールの発表で題材に挙げたこともあるほどだったので、
ちょっと悲しい気持ちです。
「いきなり!ステーキ」の失速原因は、様々なところで解説されているので、
ここでは触れませんが、
いずれにしても、1つの事業に頼って大きくしすぎた結果、
苦しくなってしまった例だと思います。
リスク回避のために、小さなビジネスを複数所有する
では、どうしたら良いのでしょうか?
1つの案としては、
「小さなビジネスをいくつか持つ」
ことです。
10の売り上げを目指す時に、
1つの事業で10目指すのではなく、
2つの事業で5ずつ売り上げを目指すとか、
5つの事業で2ずつ売り上げを目指す、
みたいな感じで考えるのですね。
そうすると、管理等のコストが大変になるのではないか?
と思うかもしれません。
確かにそうなのですが、今はITを駆使したり、必要ならアウトソーシングすることで、
コストを減らすことは、とても簡単になってきています。
なんなら、事業ごとに会社を分けてもいいかもしれません。
税金面でも分社した方がいい
余談ですが、法人税の税率を見ても、分社した方が得になる場合があります。
普通法人の場合、課税所得年800万以下は15%(適用除外事業者は19%)ですが、
800万を超える部分は、23.20%と高くなっています(平成31年4月1日現在法令等による)。
したがって、事業Aが700万、事業Bが500万だとしたら、
そのまま1社で申告するよりも、
事業AをA社、事業BをB社として、分けて申告した方が、
納税額が少なく済むことになります。
(税務の専門ではないので、間違っていたらごめんなさい)
これからは1つの事業に頼るのはリスク
withコロナ時代は特に、
1つの事業に頼る方がリスクがあると私は考えています。
なぜなら、縮小するマーケットでは、
1つの得意分野でやってきたような人や企業は、レベルが突出している場合を除き、弱い傾向があるからです。
限られた需要を1つの得意分野を持つ供給側が取り合う形となれば、
競争激化は避けられません。
したがって、これから「マルチスモールビジネス化」して、
リスク分散していく流れが始まるかもしれないなと思うのです。
サラリーマンがYouTuberとして大活躍する時代ですから、
そういった個人レベルでの成功もヒントにしつつ、
新しい時代に飛躍していきたいですね。
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