インスタの意外な歴史!位置情報アプリから写真SNSへ進化した理由と「リーンスタートアップ」経営

インスタの意外な歴史!位置情報アプリから写真SNSへ進化した理由と「リーンスタートアップ」経営

※2020年1月21日配信メルマガVol.55より抜粋(一部加筆修正あり)

インスタグラム(Instagram)は位置情報アプリだった

国内の月間アクティブユーザー数が約3,300万人で、
LINE、 Twitterに次ぐ利用者数を誇る、
写真共有アプリの「インスタグラム(Instagram)」。

10~20代の若い人に特によく利用されていますが、
広告案件等で稼ぐ著名なインフルエンサーは「インスタグラマー」と呼ばれて、
影響力を発揮しています。

そんなインスタグラム(インスタ)ですが、
原型となるアプリがリリースされた当初は、
現在の位置情報を共有できる「位置情報(ソーシャルチェックイン)アプリ」だったのをご存知でしょうか?

当時の名称が「Burbn(バーブン)」。
投資家から50万ドルの資金調達に成功しましたが、
何度も使ってくれたユーザーはごくわずかでした。
そんな数少ないユーザーがよく使っていた機能が、
「写真を共有できる機能」
だったのです。

写真アプリへ転換し、急成長

そこで、思い切って、
「位置情報アプリの中に写真共有機能」を入れるのではなく、
「写真アプリの中に位置情報共有機能」を入れる、という転換をしたのです。

機能も限定して、
写真の「撮影」「加工」「共有」に焦点を絞り、
写真を美しくすること
アップロードを速くすること
他のサービス(Facebook,Twitter)と連携すること
を課題として設定しました。

例えば、「アップロードを速くすること」に関しては、
写真やフィルターを選んでいるときに、
バックグラウンドでアップロードを進める工夫をしていて、
これが素早いアップロードに貢献しています。

こうして、インスタは急速に成長し、
2012年9月には、Facebookに約7億3650万ドルで買収されるに至りました。

成功する企業が実践する「リーンスタートアップ」経営

このように、自分たちのアイデアを素早く製品・サービスとして開発し、
実際に顧客に使ってもらって、
その情報を収集しながら、顧客ニーズを探り
製品・サービスにフィードバックを行なっていく流れを、
リーンスタートアップモデル」などと言います。

「リーンスタートアップモデル」は、2008年に提唱されて、
日本でも2012年に本が出ているので、
すでにご存知の人も多いと思います。
※ご参考:「リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」
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すでに時代遅れだとの意見もありますが、
この考え方自体は、変化の激しい環境である限り、
さほど古びるものとは思えません。

リーンスタートアップモデルで成功した他の事例

インスタグラム以外にも、
リーンスタートアップモデルで、方向転換の後に成功した企業はたくさんあります。

例えば、宿泊施設やスペースを貸し借りしたい人向けのプラットフォーム「Airbnb(エアビーアンドビー)」。
「Airbnb」って、不思議な名前ですよね。
なぜ「n」が「and」なんだろうか?「and」って何と何のこと?
実は、最初の社名が「AirBed and Breakfast」と言って、
空きスペースの提供者が、「朝食(Breakfast)」を用意する決まりになっていました。
そのせいで、提供者は、利用者滞在時にいなくてはならなかったのです。
この面倒臭さのためか?リリース当初の利用者はたったの3人だったそうです。

そこで、朝食の決まりを無くして、単に「空きスペースの貸し借り」というコンセプトに転換し、
社名も変更したところ、利用者が急拡大して、
昨年には利用者数が5億人を突破しました。

このように、「フィードバックを得る」ことを目的に、
まずは製品・サービスをリリースしてみて、
素早く見直し続ける考え方は、取り入れていきたいですね。

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