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商標

料理のレシピが真似されたら権利侵害?

以前、ご相談をいただいたものの中に
「「〇〇のレシピ」は何か権利で守れますか?」
「自分の考えた料理のレシピが真似されたのですが、訴えたりできますか?」
というものがありました。

実は「料理と権利」については、
比較的よく訊かれる質問トピックの一つです。
これはSNSで、日々たくさんの料理レシピが公開され、
料理に関係するビジネスをされている方が増えていることも
関係していると思います。

★結論

結論から言いますと、
料理のレシピそのものに著作権はありません

レシピというのは、料理の調理法ですよね。
つまりアイディアです。

【パクリ放題?】アイディアは著作権で保護されない

でもご説明したように、
アイディアそのものは、著作権で保護されないんですね。

したがって、レシピを真似された人にとっては、
たまったものではありませんが、
著作権侵害を訴えることはできない、
という点にご注意いただければと思います。

ただし、レシピを文章や図、写真で”表現したもの”については、
著作物として保護される可能性があります。
すなわち、レシピを表現した文章や、
図や写真を使って表現したものを、
許可もなくレシピ本にしたり、
ネットなどに載せたりすることは、
著作権侵害の可能性があるということです。

★特許での保護

じゃあレシピそのものは一切権利で保護されないのか…といいますと、
ハードルはかなり高いですが、
調理の方法に技術的な新しさがあれば、
特許として保護を受けられる可能性はあります。

例えば、「野菜類及びきのこ類食品の調理方法」(特許第4882871号)という特許があります。
過熱水蒸気を用いる加熱調理方法なのですが、
例えば、キャベツを100~170℃の過熱水蒸気で1~4分間加熱して芯温を75~80℃にし、その後10~30分間冷却して芯の温度を10~20℃にすることで、過熱水蒸気の特性を長時間維持し、歩留まりを確保し、変色、旨味成分、水分、香り等の流出を防ぐのだそうです。
7日間冷蔵保管しても、食味や食感が変わらないのはすごいですね。

このレシピは特許されていて、今でも権利が有効に存続しています。
したがって、家庭で個人的に使う分には問題ないですが、
ビジネスとして無断で使うと特許権侵害、ということになります。

ただし、実際にレシピの特許を取っても、
侵害者を見つけて、侵害を立証して権利行使するのは大変なことでしょうから、
費用対効果で特許を取らないケースが多いように感じます。

★商標での保護

一方、料理にユニークな名前をつけて商標登録することで、
間接的に保護するということもあります。

レシピそのものを保護するわけではありませんが、
レシピ名を商標登録をすれば、
他人が勝手にその名前を使うことができないので、
間接的な保護になるというわけです。

例えば、スターバックスの「フラペチーノ」は商標登録されている(商標登録第4612716号他)ため、
他のカフェで似たようなドリンクを作ったとしても、
「フラペチーノ」という名前をつけることができません。
これにより、仮に全く同じドリンクであったとしても
「フラペチーノ」のブランド名は守られるので、
価値を維持することができます。
顧客からしたら「フラペチーノ」とそれ以外は、
似て非なるものだからです。

★ネットの炎上

以上は法律上のお話でしたが、現代は「ネットでの炎上」についても考える必要があります。
つまり、法的には著作権もなく、特許も取っておらず、
商標権侵害にもならない行為であっても、
ネットユーザーが「これとこれは似てる!」「パクリだ!」と
騒ぐことで炎上してしまうことがあるからです。

例えば、人気YouTuberの竹脇まりなさんが、
「まりな丼」という減量レシピを動画公開したところ、
格闘家の北岡悟さんが考案して、
商標登録までした「北岡悟丼」のパクリだと話題になったことがありました。

中身を見てみると、
「まりな丼」の方は、
「キムチ、納豆、ササミ、生卵、アボカド、オクラ、ブロッコリー、もずく酢」で構成されており、
ご飯は入っておりません。
一方、「北岡悟丼」の方は、
「キムチ、納豆、ムネ肉、ゆで卵、海苔、ほうれん草、白米、玄米」で構成されています。

一致しているのはキムチと納豆のみ。
これのどこがパクリなんだろう??
と思ってしまうのですが、
結局、竹脇まりなさんは、動画を削除し、謝罪に追い込まれました。

このように、法律上はまったく問題なかったとしても、
みる人の感情を刺激すると、
炎上に至ることもあるのだという点は、
影響力のある人ほど覚えておいていただければと思います。

https://stand.fm/episodes/60309a130ec06325ad681365

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。

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