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商標

【実はすごい】パンの袋をとめるアレ

★パンの袋をとめるアレ

パンなどの袋のプラスチック製の留め具といえば、
どんな形状を思い浮かべますか?

そう、それです(笑)

きっと、だいたい同じ形のものを思い浮かべたと思いますが、
正式な名称は「バッグクロージャー」と言います。
クロージャーは「閉じるもの」という意味ですね。

海外では「Bread clip」といって、
米国のクイック・ロック(Kwik Lok)社の創業者、
フロイド・パクストン(Floyd Paxton)氏が、
1952年に発明しました。
元はリンゴ生産事業者の包装に関する問題解決のために、
開発されたそうです。

1960年代に、大量生産できる生産設備の製作と、
製パン業界での導入が進んだことも相まって、
市場規模が爆発的に拡大し、現在に至っています。

日本で流通しているものは、
川口市にあるクイック・ロック社の日本法人、
「クイック・ロック・ジャパン株式会社」が、
全ての製造を引き受けています。
http://kwiklok.jp

つまり、日本で見かけるアレは、
全部この川口の工場で作られていて、
年間30億個も作られているそうです。

★アレは商標登録されている

それで、今みなさんにやっていただいたように、
だいたい同じ形のものを思い浮かべる」というのが、
非常に重要なポイントで、
実はこのバッグクロージャーの形状、
クイック・ロック社により「商標登録」されています。

しかも、図形としてではなく、
立体商標」として、
バッグクロージャーそのものの「立体形状」
登録されているんですね(登録第5858733号)。

★「商標権」で保護する理由

物品の新しいデザインを登録して保護する権利として、
意匠権」がありますが、
出願から25年までしか権利を維持することができません。

しかも、毎年特許庁に、
権利の維持年金を支払う必要があります。

一方、「商標権」であれば、10年ごとに更新するだけで、
半永久的に権利を維持することができます。

つまり、このバッグクロージャーと同じ形状のものは、
半永久的に無断で製造販売することができない
ということになります。
これはかなり強力な権利で、
個人的には最強の権利だと思っています。

したがって、みなさんが思い浮かべたであろうバッグクロージャーは、
全てクイック・ロック社のものなんですね。
立体商標は、大変コストパフォーマンスに優れた、
かつ強烈な権利といえます。

★製品形状の「立体商標」の登録は簡単ではない

もちろん、このような製品そのものの立体形状の商標は、
簡単には登録できません
クイック・ロック社のバッグクロージャーのように、
長年の使用実績により、需要者に「この形状のものはどこどこのものだ」と、
一目瞭然であるような状態を作り上げなければならないのです。
それを証明するために、クイック・ロック社も審査過程でだいぶ苦労しました。

でも、厳しい審査に通ると、
事実上、製品の形状を半永久的に独占することができるので、
みんなここを目指していくんですね。

ちなみに、あくまでも「製品の形状を半永久的に独占する」方法であって、
「市場を半永久的に独占する」方法とは限らない点にご注意ください。

ちなみに、バッグクロージャーをよーく見てみると、
左右非対称の形をしています。

これは製造ラインを考慮した結果だそうで、
結束の前後で切れたり切れなかったりしないように、
「いかに効率よく、なめらかに作業できるかを考えた結果が、あの突起やへこみ」
なのだそうです。
(withnews記事「「食パン袋とめるアレ」、実は埼玉の名産品でした! 国内は川口だけ」より)
https://withnews.jp/article/f0190314002qq000000000000000W00o10101qq000018841A

以上、パンの袋をとめるアレは、「バッグクロージャー」と言う名前で、
実は商標権そのものだった、というお話でした。

https://stand.fm/episodes/608549f90e2af8be335c9480

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。

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