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付加価値をもたらす「デザイン経営」と法改正の動き

※2019年2月19日配信メルマガVol.7より、一部加筆修正の上抜粋

商品やサービスは、「課題」×「解決手段(技術等)」×「デザイン」から成り立ちます。
そして、人が商品やサービスを手に取る上で、
「デザイン」は直接顧客の感性に訴える重要な要素であり、
一貫したメッセージとして伝わることで、代替できないブランド価値を生み出します。
例えば、Appleしかり、ダイソンしかり、サービスでは、Airbnbしかり。
技術面はもちろん、そのデザインでも顧客をひきつけていますよね。

実際、英国のDesign Councilによると、「£1のデザイン投資に対して、営業利益は£4、売上は£20、輸出額は£5増加する(利益4倍、売上20倍、輸出5倍)」そうです。
また、Design Value Indexによると、「デザインを重視する企業の株価は、S&P500全体と⽐較して、10年間で2.1倍成⻑」したとのこと。
デザインが経営に多少なりとも効果をもたらすことは、間違いないと言えるでしょう。

一方、日本において「デザイン」はあまり有効な経営⼿段と認識されておらず、
国際競争環境で弱みとなっているのでは?という指摘がよくなされています。
日本は、相対的にデザイナーの地位が低いようで、優れたデザインが生まれにくいのかもしれません(参照:「なぜ日本ではデザイナーの地位が上がらないのか?」https://blog.btrax.com/jp/designers-in-japan/)。
とはいえ、日本でもバルミューダやバーミキュラなどがんばっている企業はありますし、
これからデザインの比重はますます高まっていくと思われます。

そんな中、経産省や特許庁でも、
「デザイン経営」なる宣言がなされ、デザインの生み出す付加価値に着目し、
イノベーションやブランド構築にデザインを活用できるよう、
後押しする動きがあります。

その一環として、デザインを保護する「意匠法」の大改正が検討されているんですね。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/toushintou/isyou_seido_190215_minaoshi.htm

概要としては、
・画像デザインの保護拡充し、クラウドサービスを通じて提供されるソフトやアプリ等の画像も保護対象にする(これまでは、物品にインストールされたソフト等の画像が対象)
・家具や什器の組合せや配置、建築物の一部(壁、天井、床等)の装飾等、空間デザインも保護できるように、保護対象を「内装」や「不動産」にまで拡充する(これまでは「物品」が保護対象で、有体物である動産のみが保護)
・長期間にわたってモデルチェンジを継続的に行う企業のデザインを保護すべく、「関連意匠」の出願期間の延長や保護対象を拡大する
・意匠権の権利期間を25年に延長する(これまでは20年)
・複数の意匠を一括で出願手続できるようにする(これまでは、1つの意匠につき1出願が必要)

といった案が挙げられています。
一部、要件が厳しくなる案も含まれていますが、基本的にはデザインの保護制度の使い勝手を良くして、権利を活かしやすくしよう!という方向に動いています。

日本は、先進諸国に比べると意匠法で保護できる範囲が狭いせいか、あまり意匠出願が用いられていない現状があるんですね(中国:65万件、韓国:6.6万件、米国:4.3万件、日本:3.1万件、EU:2.8万件(1出願あたりの意匠数では10.5万件)/年)。韓国やEUに後塵を拝しています。
上記の法改正が実現するとすれば、ようやっと諸外国並みになり、日本でも意匠権の活用が増えるかも…という期待を抱いているわけです。

意匠法改正の他にも、デザインに対する補助制度の充実や税制の導入なども検討されているようです。
もしこれまでに経営へのデザインの活用をされていなかったとしたら、この契機に検討されてみてはいかがでしょうか?
特にデザインに疎い業界では、デザインに力を入れること自体が、競争優位性をもたらすかもしれませんね!

 

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