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意匠

アート作品を守る2種類の方法

今日は、自分の好きなものに絡めてお話します。
最近、インスタグラムを始めた(2年ぶりに再開した)のですが、
それをみていただくと、いかに岡本太郎が好きなのか、
がバレてしまうような内容になっています笑

自分にとって、岡本太郎の絵や彫刻、言葉などの作品は、
どれもマグマのようなエネルギーを感じて、
見て触れているだけで、熱いものが込み上げてしまうものなんですよね。。

東京の青山にある「岡本太郎記念館」や、
川崎にある「川崎市岡本太郎美術館」には、
何度も通っていますし、
グッズも買い集めているんです。

みなさんも、何か大好きなものをついつい集めちゃうってこと、あるんじゃないかなと思います。

★アート作品は著作権で守れるとは限らない

それで、こういうアート作品というのは、普通は著作権で保護されるものです。
絵画や彫刻等は「純粋美術」と言って、
著作権法上の「著作物」に該当するからです。

一方、美術を実用品に応用したものは「応用美術」と言って、
必ずしも著作権で保護されるとは言えません。

岡本太郎も、時計だとか椅子だとかティーポット等、
いろんな応用美術を制作していますが、
これらも、必ずしも著作権で保護されるとは限らないということです。

ちょっと難しい話になりますが、
著作権法の規定には、こういう規定があります。
「「美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする」
ところが、美術を実用品に応用した応用美術は、
必ずしも「美術工芸品」とは言えない
と考えられているんですね。

★「美術工芸品」と「応用美術」

この著作物に含まれる「美術工芸品」というのは、
実用性よりも鑑賞性を重視したものを指します。
一品制作物や、少数しか制作されないものがこれに当たります。

一方、美術を実用品に応用した「応用美術」は、
鑑賞性よりも実用性を重視したものも多いです。
実用性重視だと、工業製品として量産されますが、
そういうものは著作権で保護されない、というわけです。

要するに、アート作品は、基本著作権で保護されるけど、
実用性に傾くと、保護されないこともあるということですね。

近年は、もっと判断がゆるくなり、
美術工芸品といえなくても、
作者の何らかの個性が発揮された創作的なものなら、
著作物性が認められるようになりました。

実際に子供用のイスのデザインに著作権保護を認めたケースがあります。
(知財高裁平成27年4月14日判決 平成26年(ネ)10063号著作権侵害行為差止等請求控訴事件)
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/044/085044_hanrei.pdf

★実用品寄りのアート作品は意匠権で守る

では、実用品に寄せたもので、著作権で保護されないアート作品は、
どうやって権利で保護するのかというと、
デザインの特許である「意匠権」を取得して保護することができます。

ただし、意匠権は著作権と違って、特許庁への出願手続が必要です。
しかもそのデザインを世の中に公開する前に、手続をしなければ登録されません。

実用品にも応用できるアート作品を権利で保護したいということでしたら、
権利が発生するか分からない著作権に頼ることなく、
事前に意匠出願されることを検討されてみてください。

著作権と意匠権とでは、権利の種類も効果も異なるので、
完全に代わりになるとは限りませんが、
意匠権の方が訴訟など争いになった時に使い勝手が良く、
より強力な権利だとは言えます。

ちなみに、岡本太郎の作品のうち、
「ティーポット」と「ミルク入れ」も、実は意匠権を取得していました。
権利を取って3年後には登録を維持せずに消滅していましたが、
きっと、実用品として量産された時のことを考えて、
念のために意匠出願をしたのかもしれませんね。

https://stand.fm/episodes/601cbbeb9fa75c5eea77e6ab

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。

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