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著作権

雑誌や新聞の切り抜き、ネットに載せていい?

今回も、いくつかご質問をいただいた中から、お答えしたいと思います。
本や雑誌、新聞記事などの一部を写真に撮って、
TwitterとかFacebookなどのSNSに挙げているのを、
よく見かけることがあります。

例えば、自分が何か取材を受けて、
新聞に載ったとしたら、
とても嬉しいし、みんなに教えてあげたいから、
Twitterなどにアップして拡散したいですよね。
その方が自分のPRにもなりますし。
先日も私のFacebook繋がりの知人が、
自分が載った新聞記事を嬉しそうにシェアしていました。

でもこれって、著作権的に問題ないのか?
以前スクショの話についても触れたので、
ちょっと気になるところですよね。
※参考:

ウェブサイトをスクショしてSNSに上げていいの?(前編)

ウェブサイトをスクショしてSNSに上げていいの?(後編)

★結論

結論から言いますと、本や雑誌、新聞記事などの一部を写真に撮って、
ネット上に挙げる行為は、原則として著作権侵害になる可能性があります。
より詳しくいうと、複製権と公衆送信権の侵害ですね。

別に見る人からお金を取ってるわけじゃないし、
そこまでフォロワーも多くない個人のアカウントでシェアするだけなのに、
この程度で侵害になるの?と思うかもしれません。
何より、自分の載った記事なんだから、
自分が載せるのは自由ではないかと、思いたいですよね。
ただ、そういった個人的な事情とは関係なく、
条文上著作権侵害に該当するなら、侵害行為となるわけですね。

もちろん、新聞を切り抜いたり、
コピーして個人的に閲覧するだけなら問題ありません
これは「私的使用のための複製」といって、
著作権法上で例外として認められています。
ただ、これをネットに載せてしまうと、
「私的使用」とはならずに、
原則通りに侵害行為になってしまいます。
切り抜き画像に、出典を書き添えただけの場合も、一応NGです。

★例外

ただ、この原則には例外があります。
すでに何度も配信に出てきていますが、
引用」に該当する場合です。

「引用」には4つの条件があります。
条件は、
①自分の記事の部分が、他の部分と区別できること
②引用した記事の部分がサブで、自分の説明などのコンテンツ部分がメインであること
③出典を書くこと
④勝手に表現を変えないこと
です。

例えば、自分が載った記事を切り抜いてアップする場合、
①その部分がわかるように太枠で書いたり、
カギカッコでくくったりして、他の部分と区別できるようにします。
②そして、その記事についてのコメントを自分で創作します。
記事が数ページに渡るようなケースはNGだと思いますが、
1ページの中のほんの一部を引用して、その記事に関して自分のコメントをできるだけ多く書いておけば大丈夫だと思います。
③また、出典として「○月×日付けA新聞朝刊より引用」みたいな感じで書きます。
④引用部分を勝手に書き換えたりせず、そのまま載せます

また大前提として、その記事がすでに公表されている必要があります。
そして、引用の目的に照らして正当な範囲であることが必要です。
皆さんにお知らせするという、引用の必要性があるなら大丈夫ではないか?と思います。

以上のように、「引用」に該当するようにすれば、
雑誌や新聞などの記事をネットに上げることができます。
ただし、自分だとつい判断が甘くなりがちなので、
もし何か権利者側から言われてしまったら、
大人しく、速やかに削除するのがおすすめです。
そこで争っても無益ですし、
仮に訴訟にまで発展したら、
時間もお金も精神的なエネルギーも奪われてしまいますからね。

★実際に問題になるか?

では、雑誌や新聞などの切り抜きをネットに載せて、
著作権侵害をしてしまったとして、
実際に問題になるのでしょうか?

これについては、著作権者次第なので、なんとも言えません。
誤解を恐れずに言えば、怒られるかどうかは運次第です。

ただ、一個人に対して、雑誌社や新聞社などがそこまで厳しい対応をしているのは、あまり見たことがありません。
だから大丈夫、とも言えないのですが、
少なくとも「私が載ってるから新聞買ってね」など購買を促すぐらいのことはしてもいいのではと思います。
この場合は相手の利益にもつながるので、問題に発展することは少ないと思います。

一方、企業や団体、影響力の強い個人ならもっと注意しなければなりません。
実際に裁判に至ったケースもあります。
気になる方は、記事を書いている企業や、
日本新聞協会や新聞著作権協議会などの機関に問い合わせてみてください。

https://stand.fm/episodes/603323850ec063297c684731

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。

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