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商標

商標権取ったのに侵害で訴えられる!?

「サムライツ™」の弁理士、保屋野です。

商標権を取得したのに、似てる商標を使用する会社を侵害で訴えることができず
むしろ「そっちが侵害している」と相手から訴えられて、敗訴してしまった!
そんな事件が起こりました。

A社は、広告効果計測システムの提供やECサイト構築システムの開発等を業とする会社です。
平成26年5月16日、「LOCKON」という商標を、35類の「広告業」等の役務(サービスのこと)を指定して登録を受けました(登録第5671044号)。

登録第5671044号

一方、B社もコンピュータ・システム及びソフトウェアの開発,販売,レンタル並びに保守,インターネットを利用した各種情報処理サービス及び情報提供サービスの提供などを業とする会社。
42類の「電子計算機用プログラムの提供」「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」等の役務を指定して、英語とカタカナの2段書きの商標「Lockon/ロックオン」について、平成17年2月18日にロゴタイプの態様で、平成26年9月26日に普通の文字の態様で、それぞれ登録を受けました(登録第4839624号、5704605号)

登録第4839624号

登録第5704605号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで、まずはA社がB社の商標権侵害を訴えました。

しかし、B社が商標「Lockon/ロックオン」を使用するサービスは、インターネットを介して,スマートフォン等の携帯電話用のホームページの作成・運用を支援するためのアプリケーションソフトの提供を行うものであり、42類の「電子計算機用プログラムの提供」に該当するものでした。
つまり、A社が商標登録している35類の「広告業」には該当しなかったのです!

商標は指定した商品・役務について登録を受け、その範囲(同一・類似の範囲)に限って権利の効力が及びます
したがって、A社の「LOCKON」の商標権では、B社の「Lockon/ロックオン」の使用を排除することができませんでした。

さあ、B社の反撃です。
今度は、B社がA社の商標権侵害を訴えたのです。
A社が商標「LOCKON」等を使用するサービスは、B社が商標登録している42類の「電子計算機用プログラムの提供」「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」にあたります。
商標も類似するということで、A社の商標の使用は「侵害」と認められてしまいました!

「侵害」と認定されてしまったA社は、東京高裁に控訴する方針のようなので、まだ確定ではありませんが、この事件から学ぶ教訓があります。

それは、
商標登録後も、
商品・役務(サービス)についての商標の使用が、ちゃんと自社の商標権でカバーされているか?
を常に確認することが必要!ということです。

カバーされていない指定商品・役務の部分は、原則として、
他者が自由に使用できる
し、
他者が商標登録できる
のです。

ここをつい見落としがちです。
前者はまだしも、後者はこちらが侵害で訴えられてしまうので、非常に注意が必要です。

また、指定商品・指定役務の表現は分かりにくい部分がありますので、
「まあ大丈夫だろう」という思い込みは厳禁です!
例えば、9類で「ダウンロード可能な音楽」を指定していても、ウェブ経由で配信される音楽をPC上で楽しむ、ストリーミング形式のものについては該当しません。
これは41類の「オンラインによる音楽の提供」が該当します。
したがって、弊所のように商標を専門でやっている弁理士に相談されることをおすすめ致します。

そうはいっても、一度商標登録してしまえば、商標登録の状態なんて忘れがち。
できれば、商標登録された日を“登録商標の誕生日”に設定して、1年に1度くらいは見直しの機会を設けられてはいかがでしょうか?
そして、カバーできていない部分は、改めて商標出願するなり、ネーミングを変更するなり、使用をやめるなりして対処することが必要です。
商標権侵害を訴えられ、商標の使用を差し止められたうえに、損害賠償請求までされてしまうのに比べたら、コストも低く抑えることができます。

参考;
平成 28年 (ワ) 5249号 商標権侵害差止請求事件
平成 28年 (ワ) 6268号 商標権侵害差止請求事件

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